目標は「この人が作るものなら観なきゃ」と思ってもらえる監督

――今回も見事な青春映画に仕上がっていますが、青春映画にこだわる理由を教えてください。

 実は前作の『私たちのハァハァ』で、青春映画を撮るのをもう終わりにしたかったんです。やり切った感があったので、今回はもうちょっと大人の映画を撮ろうと思ったんですが、やっぱり青春映画になりましたね(笑)。もともと好きなのでしょうがないですけれど、正直こだわりのようなものはないですね。

――次はどんな作品を手掛けたいなど、将来の目標があれば教えてください。

 演劇でも映画でも一つの感情に留まらない作品を世に出して……、演劇やって、映画やって、豊かな作品を世に出して、女優と結婚して別れたりして、どこかでチャップリンに憧れているんですよ。あと、北野武さんやキム・ギドク。映画にこだわるわけじゃないですが、「この人が作るものなら観なきゃ」と思ってもらえるような作品を作り続けたいし、そういう人になりたいですね。それに、仕事として「前作っぽいもの」というオファーを受けてしまうと、やっぱり前作っぽいものにしかならないんですよね。だから、常に変化球を投げられるよう自分で準備をしているつもりです。

松居大悟(まつい・だいご)
1985年11月2日生まれ。福岡県出身。大学時代、劇団「ゴジゲン」を結成し、全公演の作・演出・出演もしている。2012年『アフロ田中』で監督デビュー。15年、第7回TAMA映画賞にて最優秀新進監督賞を受賞。原作を手掛ける漫画『恋と罰』が連載中。
http://webcomic.ohtabooks.com/koi-to-batsu/

『アズミ・ハルコは行方不明』
郊外のある街から、独身OLの安曇春子(蒼井優)が突然姿を消した。街中に貼られたハルコの行方不明ポスターとともに、それをモチーフにした愛菜(高畑充希)らによるグラフィティアートが拡散されていく。さらに、男性を無差別に襲う女子高生集団が現れる。“アラサー、ハタチ、女子高生”の3世代の女性たちの生きる姿を浮き彫りにする青春映画!
(C)2016「アズミ・ハルコは行方不明」製作委員会
2016年12月3日(土)より、新宿武蔵野館ほか全国にて公開
http://azumiharuko.com/

くれい響 (くれい ひびき)
1971年東京都出身。映画評論家。幼少時代から映画館に通い、大学在学中にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作を経て、「映画秘宝」(洋泉社)編集部員からフリーに。映画誌・情報誌のほか、劇場プログラムなどにも寄稿。

Column

厳選「いい男」大図鑑

 映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。

2016.11.25(金)
文=くれい響
撮影=深野未季

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