NHK連ドラ最年少脚本家として大抜擢

――最初は俳優志望だったのが、なぜ劇団を旗揚げするまでになったのでしょうか?

 最初は演技力を高める目的だったから、役者しか興味がなかったんですけれど、どんどん楽しくなってきちゃって。子供の頃から好きだったストーリーテリングみたいなこともやりたいという欲も出てきたんです。それでヨーロッパ企画のような演劇がやりたいと思って独立して、2008年に自分の劇団(ゴジゲン)を旗揚げしたんです。

――07年からは、演劇と同時進行で自主映画を制作されていますよね。

 演劇だけをやっていても不安で、演劇仲間は誘わずにこっそり撮ってみたら、その作業が面白かったんです。

 昔、ぬいぐるみ遊びをしてたり、マンガ家を目指したりしていたときって、フレーム内の世界を作りたかったのかなと思ったんですよ。そう考えると、演劇よりも映像の方がフレームを切り取れる気がしたんです。ただ、作品を自主映画のコンテストに出したんですけれど、ほとんど結果は出ませんでしたね。

――その後、09年にNHKドラマ「ふたつのスピカ」で、いきなり連ドラ最年少脚本家としてデビューするわけですが、その経緯を教えてください。

 大学3年になって、みんなが就活しているとき、僕は自己PRをするのが苦手で就活にも落ちまくっていたんです。それで、ちょうど舞台制作中に知り合ったプロデューサーさんに相談したら、ドラマの企画を募集していることを教えてくれたんです。それで教えてもらうたびに10本ほど企画を出し続けて、そのなかの1本が「ふたつのスピカ」で、脚本も書くことになったんです。

2016.11.25(金)
文=くれい響
撮影=深野未季