【WOMAN】
フーフ愛のど真ん中にタカラヅカ愛が光り輝く

 好きな人の、好きなものを、好きになることは嬉しい。でも、好きな人が、自分の好きなものを好きになってくれることは、もっと嬉しい。『タクマとハナコ』に登場する夫婦の馴れ初めは、それだ。

 ふわっとした合コンの席で、友人から禁止令を出されていたにもかかわらず、超ディープなヅカヲタ(宝塚ファン)のハナコは、熱すぎる宝塚トークを繰り出した。そこでタクマが興味津々身を乗り出したことから、あれよあれよと2人は結婚することに。夫婦は対外的には「共通の話題」ができて良かったとプレゼンしているものの、実は夫のタクマは、妻とも違う独自の進化を遂げたヅカヲタモンスターになっていた。

 好きな人が、自分の好きなものを、自分の好きとはちょっと違う感じで好きになってくれることは……ワクワクする! 対象は同じモノでも、自分とは違う愛し方、語り方があるのだと知ることは、人生を豊かにする近道だから。

『タクマとハナコ』(既刊1巻) はるな檸檬

超ディープなヅカヲタのハナコと、「真面目を絵に描いたみたい」だったはずが、ヅカヲタモンスターへと変貌を遂げた夫・タクマの新婚ストーリー。2人の馴れ初め話、離婚危機や浮気問題……すべてが宝塚絡み。愛あふれる笑いが続発する。2巻(最終巻)は2016年12月刊行予定。
文藝春秋 1,000円
» 立ち読み・購入はこちらから(文藝春秋BOOKSへリンク)

Column

男と女のマンガ道

男と女の間には、深くて暗い川のごとき断絶が横たわる。その距離を埋めるための最高のツールが、実はマンガ。話題のマンガを読んで、互いを理解しよう!

2016.11.06(日)
文=吉田大助

CREA 2016年11月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

喫茶店とコーヒーがそこにある幸せ

CREA 2016年11月号

一杯がもたらす最高の癒し
喫茶店とコーヒーがそこにある幸せ

定価780円