●古澤さんのおすすめ店・その2
地元民が“由比ガ浜の中華”と呼ぶ「フェンロン」

 地元の人たちから絶大な支持を得、古澤さんも日常使いする“由比ガ浜の中華”こと、豊龍(フェンロン)。旅の昼下がりに、旅の締めくくりに立ち寄りたいアットホームな雰囲気は、懐かしくも新しい鎌倉の新定番。

看板メニューの点心はすべて手作り。約10種類のなかから好きなメニューを単品で頼めるほか、3種のシューマイと焼き餃子にメインがついたセットメニューも人気。マイルドな味わいの酸辣湯麺(スーラータン麺)は香辛料に頼らない本格派。麺とスープ本来の旨みが食指を動かすのか“締め”として頼む人も多いのだとか。左:貝柱シューマイ(3個 420円)、ニラシューマイ(3個 420円)、エビシューマイ(3個 420円)。右:酸辣湯麺 1,000円。

 「仕事を終えて夫婦で訪れたり、店のスタッフとの交流の場にしたり、気まぐれにひとりごはんをしたり。様々なシーンで訪れている街の中華料理店です。その味は地元でもお墨付き。飽きがこないおいしさに惹かれるのか、昔からの幼馴染みと食事をするときもつい足がむきますし、お店で知り合いにでくわすことも。必ずオーダーするのは点心。注文が入ってから蒸して出てくる手作りの点心を頬張るときは、この上ない口福です」

横浜中華街で店をかまえていたところ、「鎌倉においしい中華料理店が欲しい!」という当時の客のリクエストで、横浜中華街から八幡宮の段葛に移転。2004年より、由比ガ浜に移転オープン。段葛では、点心と麺類が中心だったが、移転後は一品料理や季節メニューなどバリエーションが増えた。気取ることのない店内は、地元の人の笑い声でいつも賑わう。

豊龍(フェンロン)

デイリーに楽しめる中華料理店。現在腕をふるうのは3代目の羅さん。横浜中華街で広東料理の名料理人として名を馳せたおじいちゃんより引き継ぐ“羅家の家庭料理”の味に虜になったお客が足繁く通う。

所在地 神奈川県鎌倉市由比ガ浜3-10-12
電話番号 0467-24-5594
営業時間 11:30~15:00(L.O. 14:30)、18:00~21:00(L.O. 20:30)
定休日 木曜・第3水曜

2016.11.05(土)
文=吉村セイラ
撮影=深野未季