“鎌倉上手”3人の美食アドレス

“鎌倉上手”3人の美食アドレス

生まれも育ちも鎌倉のイタリア料理人が
外食でほっと“口福”を感じる名店3軒

 秋の行楽シーズンにふと訪れたくなる鎌倉。見所はたくさんあれど、ずばり知りたいのが“おいしいところ”。そこで今回は、生まれも育ちも鎌倉の料理人、移住者でシェアハウスを運営するグルメなコーディネーター、鎌倉に引っ越したばかりの料理研究家と、バックグラウンドが異なる3人の“鎌倉上手”が登場。それぞれの視点で見つけた、普段使いの美食アドレス3軒をおしえてくれた。

vol.01/古澤一記さん(長谷「オルトレヴィーノ」シェフ)

“好き”の方向性が一緒の人たちが織り成す、鎌倉の美食文化

 鎌倉で生まれ育ったのち、料理人を目指しイタリアへ。10年間のイタリア暮らしを経て、2010年より、鎌倉の長谷に「OLTREVINO(オルトレヴィーノ)」をオープンした古澤さん。海外から戻り、目に映ったのは、鎌倉の昔から変わらない魅力。ときが移り変わり、観光客や移住者も増えた今もなお鎌倉の美食文化が好循環するのはなぜか。

 「鎌倉には常に新しいレストランやカフェが増えています。自分と同じように地元の人がかまえるお店、東京など他の地域から移住してくる人が作るお店の、大きくは二つの系統がありますが、“好き”と思うものや心地よいと感じるライフスタイルは本質的に同じように思えます。加えて、生産者や住民の方なども“好き”の方向性が一緒なので、持ちつ持たれつつ互いによい循環をしている。それがこの街の魅力ではないでしょうか。昔からある土壌に、移住された方や散策で来る方が運んでくれた新しい情報や感性がエッセンスとなり、街を活性化させています。

 新旧どちらもこだわりとコンセプトを持つお店が多く、多様性に富んでいるのが面白いです。流行にとらわれずに、自身の価値観やスタイルを持ち、何か価値を見出せるものであれば、時間やお金を惜しまないというのは、イタリアで感じた空気と似ている気がしますね」

インテリアは、妻である千恵さんが担当。本場イタリアより運ばれたアンティーク家具がセンスよく配置されている。

 外食が大好き! という古澤さん。普段はどのようなお店に足を運ぶのか、そのお店選びの基準を聞いてみた。

 「外食は好きで、グランメゾンからいわゆるB級グルメまでを好んで食べますが、どんなジャンルであれ、表面的に取り繕ったものや地に足がついてないものはすぐわかります。きちんと修業された方が、高い技と志を持って作る料理をいただけるお店を選びます。今回紹介する3店もまさにそんなお店。地元の人が通う名店ですので、昔からの人々で賑わっていると思いますが、ここ鎌倉で気兼ねは不要。きっと歓迎してくれるはずですよ!」

左:本格的なデリメニューも充実。撮影中も近所の人がかわるがわる訪れる。「レンバイ」で仕入れた鎌倉野菜をたっぷり挟んだできたてのパニーニは、イートインのほかテイクアウトもOK。

山と緑の豊かさを感じられる、秋にぴったりの散策コース

 最後に「もし、鎌倉の観光大使になったらどこを案内しますか?」という質問には、この秋ぴったりの散策コースを案内してくれた。

 「小学校の初めての遠足で訪れた<天園ハイキングコース>ですね。鎌倉観光といえばお寺や海に目がいきがちですが、山と緑の豊かさも見逃せません。程よい距離で大人でも子どもでも歩きやすい。山道にある峠の茶屋は風情があっておすすめです。また子どもの頃、坂の下の砂浜でサッカークラブの友だちと早朝、地引き網に参加して魚を捕ったこともよく覚えています。今でも朝は漁師さんから直に魚を買うことができます。秋の散策にもってこいですよ」

アンティークコーディネーターの千恵さんが買い付けた食器やカトラリーも人気。

古澤一記/Kazuki Furusawa
1973年生まれ。鎌倉生まれの鎌倉育ち。国内のイタリアンで料理を学んだ後、イタリアへ。トスカーナ、サルデーニャ、エミリア=ロマーニャ、プーリアで修業。フィレンツェ「エノテカ・ピンキオーリ」ではソムリエ経験も。2010年に帰国し、長谷に「オルトレヴィーノ」をオープン。

OLTREVINO(オルトレヴィーノ)
所在地 神奈川県鎌倉市長谷2-5-40
電話番号 0467-33-4872
営業時間 12:00~18:30L.O.(ショッピングは19:00まで)
定休日 水曜
http://oltrevino.exblog.jp/

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2016.11.05(土)

文=吉村セイラ
撮影=深野未季

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