“カイムキ”の隠れ家ステーキ「カフェミロ」

 ……と、ここまで「肉リポート」として本格的「ステーキハウス」をご紹介してきましたが、実はぶっちゃけ、僕的に「ホノルルでNo.1のステーキはどこ?」と聞かれたら、数々のステーキの名店ではなく おそらく 古き良きオールドタウン“カイムキ”に店を構える、昔からの大親友「小林茂」オーナーシェフが腕を振るう、ローカルの人たちNo.1のフェイバリッツレストラン「カフェ・ミロ」と答えるに違いありません!!

 「カフェ・ミロ」と聞くと勘違いなさる方もいらっしゃるかと思いますが、まったくカフェではなく、プリフィックスのコースをリーズナブルに提供し続ける、地元で大人気のアットホームなフレンチレストランであります。

 1997年のオープン当初から、公私ともにかれこれもう20年近く仲良くさせてもらっている茂シェフは、日本はもちろん、フランス、オーストラリア……の海外を中心に実績を積み上げてきました。

 さぁいよいよ日本でお店をオープンさせようと 帰国直前にたまたまバカンスでハワイに立ち寄ったところ、その魅力の虜となってしまい、ここ“カイムキ”に自らのデザイン&設計だけならまだしも、店自体まるごと一軒手作りで作ってしまったという、アーティスチック丸出しな九州男児(余談ですが「ココヘッド」を見下ろす高台に建つ、めちゃキュートなシェフの自宅も全て手作り)。

 その優しい性格がゆえに提供されるちょっぴり和テイストも含んだ心温まる「洋食風フレンチ」は、ハワイのトップレストランとしてだけではとどまらず、NYのグルメ雑誌で「AMERICA'S TOP TABLES」を受賞するほどの実力者であります。

 基本は2種類のプリフィックスで、47ドルの前菜とメイン、デザートの中から好きなものをチョイスする3種類コースと、メインがシーフードとアントレの両方ついてくる58ドルの4種類コースなんですが、バーカウンターだけで出される様々なおつまみメニューや、その日に手に入った新鮮な素材で作るシェフの特製パスタからステーキ用の肉を自家挽きして作る「昔懐かしハンバーグ」まで、コースにはない「裏メニュー」もたくさん存在しますので、どうしても食べたいものだけを伝えておいて、あとは全て茂シェフに任せてしまうのが僕のいつものパターン。

あ「きのこのクリームスープ」と「生がきのエスカルゴバター焼」。

 僕が必ず入れてもらうのは、最初にサーブされ、必ず安心させてくれる、あったか~い「本日のスープ」(この写真は「きのこのクリームスープ」)に、シェフおススメの「シャルドネ」のお供としてはハワイ最強の前菜と言っても過言ではない「生ガキのエスカルゴバター焼」!!

 ぽん酢やカクテルソースでいただく「生ガキ」も捨てがたいですが、もうこれは別次元!!

 1人前で6ピースも出てきますが、小ぶりですし、白ワインがあったら何個でもいけちゃいますので やはりここでも残ったソースにパンをつけたりしての食べ過ぎにはご注意を……。

絶品「蟹クリームコロッケのトマトソース添え」!!

 そしてこれでもかと蟹肉が詰まった、外はサクサク、中はとろ~りとろける絶品「蟹クリームコロッケのトマトソース添え」!!

 これがまた白でも赤でもあうんだ、またぁ~!!

 大味で大雑把なものが主流のココ“HAWAII”で、まぁこんなに繊細でやさしい味に出会えるなんて。フレンチなんて聞くと、またどんなヘビーなものが出てくるのかと思いきや、ここではアメリカンサイズに疲れた胃袋を優しくケアーしてくれる、やはり日本人シェフがゆえのおもてなしの技が冴え渡るわけであります。

2016.10.27(木)
文・撮影=小川カズ