初対面の人とも打ち解けて盛り上がり、6時間のパーティに

 場所は私のアトリエ。

 庭はかなり広いのですが、草はボウボウ。バーベキューをするスペースなんてあるかなあと思いつつ、当日を迎えました。

 私が東京からアトリエに到着したのが14時。それから軽く掃除をしていると15時からみんなが続々到着。買い出しもお願いし、キャンプ道具や椅子なども持ち寄ってもらいました。

アトリエの玄関先が以外と広くてバーベキューにぴったり。

 集まった顔ぶれは本当に多彩。

 有機米を作る専業農家、越前カニ漁を主とする漁師、越前箪笥職人、越前焼陶芸家、TV局アナウンサー、代行運転会社経営者など東京にいたらきっと出会わなかっただろうなあという人たちばかり。

 考えてみると、2年前には、この中の誰一人として出会っていません。人の縁って不思議だなあと思います。

 集まったみんなに共通しているのは、「福井をこれからもっと盛り上げたい」「福井に人が集まって欲しい」という思い。

 福井の伝統工芸の技術を継承しながら現代のニーズにあったモノ作りを企画している「福井7人の工芸サムライ」を率いるデザイナーの熊本雄馬さんをはじめとして、それぞれが、あるいは数人で集まって、地域活性化のために動いている人たちです。

 だから初対面の人が多かったけれど、すぐに打ち解けて盛り上がり、6時間ぐらい飲んだり食べたりしました。

バーベキュー、夜遅くまで盛り上がりました。

 そして実はアトリエは結構広かった!

 玄関先だけでバーベキュー台もテーブルも椅子も置けました。夫がいないため、食べ物が不安でしたが、こちらはみんなが頑張ってくれました。

 そして朝採れたての魚の豪華お造り、新米、地酒、手作り料理などの差し入れも! 福井の食の豊かさを感じます。

漁師さんから朝採れたばかりのお魚のお造りの差し入れ!

 みんなも他の人たちの活動に興味津々だったし、だけどなかなか集まる機会もないので、またぜひやりたいねーって話になりました。次回は、蟹バーベキューもいいなあなんて。

松尾たいこ(まつお・たいこ)
アーティスト/イラストレーター。広島県呉市生まれ。1995年、11年間勤めた地元の自動車会社を辞め32歳で上京。セツ・モードセミナーに入学、1998年からイラストレーターに転身。これまで300冊近い本の表紙イラストを担当。著作に、江國香織との共著『ふりむく』、角田光代との共著『Presents』『なくしたものたちの国』など。2013年には初エッセイ『東京おとな日和』を出し、ファッションやインテリア、そのライフスタイル全般にファンが広がる。2014年からは福井にて「千年陶画」プロジェクトスタート。現在、東京・軽井沢・福井の三拠点生活中。夫はジャーナリストの佐々木俊尚。公式サイト http://taikomatsuo.jimdo.com/

 

Column

松尾たいこの三拠点ミニマルライフ

一カ月に三都市を移動、旅するように暮らすイラストレーターの松尾たいこさんがマルチハビテーション(多拠点生活)の楽しみをつづります。

2016.10.15(土)
文・撮影=松尾たいこ