(3) 超マイナーな絶景スポットを見つけるには?

レバノンのスイスとよばれるカディーシャ渓谷近くの雪渓。ここも画像検索によってたどりついた。ガイドブックなどにはこの雪渓について記述は一切ない。

 近年ブームとなり、すっかりおなじみとなった絶景。これから自分が行こうとしている国の絶景スポットを探す場合には、グーグルの画像検索などに、「地名+絶景」と入力すればヒットします。日本語で見つからない場合は、「地名(ローマ字)+superb view(絶景の英訳)」を探してみる手も。

 気をつけたいのは、写真が加工されて不自然なまでに「絶景」なケース。前述したトリップアドバイザーでの現地での投稿写真と併用すればこうした「厚化粧」も見破ることができそうです。

(4) ヤフーニュースや新聞社のサイトは最新情報の宝庫?

ヤフーニュースの画面左上にある「キーワードを入力」のところに自分が旅行を予定している国や都市などの名前を入れて検索すると、最近そこでどのようなことが話題になっているのかがわかる。

 ヤフーニュースや新聞社のサイト。多くの人にみられていますが、これらのサイトのキーワード検索を活用しているという話はあまり耳にしません。しかし、自分の行く予定の国、あるいは都市などの名前を入れて検索をかけると、最近その国についてはどのようなことが話題になっているのかが一目瞭然(なかにはスポーツチームの結果などもまじっていますが……)。

 特定の国のファンにおすすめしたいのがテレビの番組表サイトの検索欄に国名などを入れる方法。その国に関する番組を簡単に見つけることができます。

(5) 紙の本や雑誌の情報をどうやって得る?

 インターネット全盛の世の中とはいえ、いまだに本や雑誌などの情報の価値は軽視できません。歴史などについての情報を得たいのであれば、ネットだけでは多くの場合不十分だといえるでしょう。

 そんなときに役立つにはやはりアマゾンの検索。とりあえず国名などで調べると上位に来るのは旅行ガイドブックですが、それ以外にもその国に関するさまざまな書籍がひっかかります。なかには大規模な図書館にもなかなか置いていないようなレアものも。中古も扱っており、安く買えることも。ガイドブックなど、あまり情勢が変化しない国に行く場合、1年か2年前のものにするだけで半値以下となることも。CREA Travellerをはじめ、海外に関する特集号で、過去に買いそびれたものを手に入れるのに役立ちます。

(6) 旅行情報は論文で得る時代?

論文検索サイトCiNiiは海外旅行の情報集めに役立つ。国内旅行についても地理学の論文などを出力して現地に持参すると威力を発揮する。

 論文なんて学生時代のとき以来ご無沙汰という人もいるかもしれません。実際に論文を手にしようとしても大学の図書館などに足を運ばなければならず、多くの勤め人にとっては現実的な選択肢とはいえないでしょう。

 しかし、いまはCiNiiという論文検索サイトで、自分の旅行先に関係する論文を簡単に検索することができます。自分が調べたい国名や都市名、あるいは建築や音楽家、芸術家などを入れて、検索をかけるだけです。その際、「CiNiiに本文あり」を選択し、検索した結果、オープンアクセスと書かれている論文は無料で読むことができます。Google Scholarもほぼ同様の機能のサイトです。

CiNii(サイニー)
http://ci.nii.ac.jp/

Google Scholar(グーグルスカラー)
http://scholar.google.co.jp/

(7) 図書館で得る旅行情報

 アマゾンはたしかに有益ですが、旅行の前に予習するだけなら必ずしも本を購入することはありません。私は図書館のサイトであらかじめ自分の渡航先について書かれた書籍を検索し、借りるようにしています。その国に関する本をとりあえず単行本で3冊読んでおくと、現地についてから理解が深まります。とりわけ歴史や文化、建築、芸術などについては読書の効果が高いと断言できます。

2016.09.26(月)
文=橋賀秀紀