鳥沢杏子さん
お子さん:長女 1歳10カ月/アサヒビール(株) 営業統括本部 量販総括部 リテールサポートグループ 主任

 入社してからの8年間は男性にも負けないバリバリの営業ウーマンとして働いていた。ビール会社の営業であれば、お酒を飲みながらお客様と仕事の話をすることも少なくない。「女性だから……」という言葉が悪い意味にならないよう、気配りもし結果も出して文字通りフルスロットルで働いてきた。そんな生活は妊娠・出産・育休を経てペースダウンしたが、営業をサポートする部署に配属になり、長い現場経験を活かせる仕事になった。

 ほぼ計画妊娠で第一子の長女を妊娠した時は、5週目に切迫流産になりかかり2カ月間自宅で寝たきり生活だった。「仕事復帰はするの?」と得意先に聞かれる度に、「五体満足で生まれて来られるか?」「戻れる環境が整うだろうか?」と様々な思いが巡り、即答できなかったという。

 アサヒビールは国の定める産休+育休期間より多く休暇が取れる恵まれた環境だが、それでも長女が1歳3カ月の時に復帰した理由は……「社会に出ていないと自分自身を保てない」と気付き、忙しかった日々との落差で焦る気持ちもあったと振り返る。

 育児と仕事の両立を始めて7カ月、ヨチヨチ歩きの手さぐり状態だが「毎日驚くほど成長し変化する娘」との生活が仕事のやり甲斐にもつながっている。

 子どもを産んでから「相談上手」になったという鳥沢さんの相談相手は、保育園の先生、上司、義母、ママ友達、同期の仲間と多岐にわたり、頼りにするのはその「経験値」だ。以前は人に相談する前に自分で動いていたが、今はその道の先達の知恵を拝借するようになり、肩肘も張らなくなったという。

冷凍おかずを上手に利用

 毎日忙しい生活だからこそ、気をつけるのは家族の健康管理。丈夫な体作りは食事からと、娘が眠った後に冷凍おかずを作る日を設けて、毎日手作りの食事を出すよう心がける。帰宅してすぐ食べられるおかずを冷凍しておけば、絵本を読んだり「おままごと」に付き合ったり、親子の時間が増えるのも嬉しい。子どもが寝た後の“自分時間”も、適度に切り上げて睡眠6時間を確保するのも、体調を考えてのことだ。

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2012.01.18(水)
text&photographs:LITTLE MAMA