王子だけじゃない! 色物キャラも進化する

●A.B.C-Zのコンサートはここを見て!
難しいアクロバットも余裕で披露する5人の身体能力の高さはジャニーズいち。塚田の連続バク転はお約束、巨大回転ブランコを自力で回すコーナーでは、成功してガチ泣きするなど、彼らのライヴには常にスポ根的感動が。“身体を張ってる度”はナンバーワン!

 5人グループなら5人、7人グループなら7人全員が並び立てるグループに。それが、ジャニーズに所属するグループの一つの“成功の指標”である。グループがブレイクするきっかけを作るのは、基本的には王子系キャラだが、グループのオリジナリティを認知させるには、“王子”や“キング”系でないキャラの確立が不可欠。

 ここ数年で突出して目立っているのが、「アウト×デラックス」で認知された、“筋肉系ガチヲタ“A.B.C-Zの“塚ちゃん”と、歴代の歌下手キャラを軽く凌駕する破壊力を持つ“歌下手師匠”キスマイ横尾の2人だ。

 オタク系キャラと言えば、関ジャニ丸山、キスマイ宮田など、21世紀にデビューしたグループには、キモさとイタさを笑いに変えられるエネルギーを持ったメンバーもいることはいた。自称歌下手で笑いを取ってきたアイドルと言えばSMAP中居だが、とはいえ横尾は、その中居が頭を抱えたほどの真性音痴。塚ちゃんにせよ横尾にせよ、ダメっぷりが突き抜けている。「カッコいい」とか「素敵☆」といった評価とは程遠くても、イロモノ系の“見ている人をハラハラさせる才能”はすごい。

 「好きじゃないけど、気になる存在」としての認知は、それまでアイドルに興味がなかった層を開拓するいいきっかけになるはずだ。そこで最近注目なのがKAT-TUN上田に代表される“ピュア系スポ根”キャラ。“男は黙って”な、いぶし銀の魅力だが、ここはガッツ溢れるキスマイ二階堂、WEST濱田、努力家のセクゾ松島あたりに追随してほしい。

●Kis-My-Ft2のコンサートはここを見て!
ローラースケートを駆使し、ドームを最速移動。アリーナ上空のフライング移動や、ロボットの腕のように自在に動くステージなど、飛び道具を駆使。舞祭組が牽引する5万人での宴会芸も圧巻。カッコよさもスリルも笑いも網羅した、“痛快アトラクション”。

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2016.09.01(木)
Text=Guriko Kurabe
Illustrations=Keita Mizutani

CREA 2016年9月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

いい男がいっぱいだと幸せ。

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