Magnificent View #1066
圓山大飯店(台湾)

(C)Brian Sytnyk / Masterfile / amanaimages

 台北の街を見下ろす丘の上に立つ、深紅の重厚な建物。圧倒的な存在感を漂わせるのは、台湾で最も有名なホテル、圓山大飯店だ。

 創立は1952年。日本統治時代にあった台湾神宮の跡地に建てられた。以来、世界の政治家や著名人がここに宿泊し、各国のVIPを迎えるための迎賓館的な存在として名を馳せている。

 中国の宮殿を思わせるデザインは、故宮博物院や中正紀念堂などを手がけた楊卓成によるもの。館内に足を踏み入れれば、真っ赤な柱や絨毯、豪華な装飾がほどこされた天井に、思わず目がくらみそうになる。

 2004年に超高層ビルの「台北101」が誕生する以前は、長く台北の象徴でもあったこのホテル。2014年にはリニューアルされ、伝統的なたたずまいはそのままに、ますます豪華な雰囲気を増している。

 客室数は500室。その大きさもゴージャスぶりも、本物の宮殿にも劣らないほど。ここに泊まって眼下に市内を眺めれば、皇帝気分が味わるかもしれない。

Column

今日の絶景

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2016.08.31(水)
文=芹澤和美