大人気の大河ドラマ「真田丸」の魅力のひとつは登場人物たち。彼らの友情、ライバル関係が単なるそれを超えたかのように濃密。熱い男たちが絡み合う名場面を集めました! 戦国武将たちの困り顔コレクションも合わせてご紹介します。

» 第1回 真田信繁×石田三成
» 第2回 徳川家康×真田昌幸
» 第3回 徳川家康×本多正信
» 第4回 石田三成×大谷吉継
» 第5回 真田信繁×豊臣秀吉
» 第6回 真田昌幸×出浦昌相
» 第7回 豊臣秀吉×片桐且元

#08 織田信長と明智光秀

倒錯的な愛憎劇

 「ナレ死」のはじまりともいえる、ナレーションで語られただけであっさり済んでしまった本能寺の変。その前の第4回の終わりに事変の一端が描かれたが、それは妙にエロいものだった。

 明智光秀(岩下尚史)を激しく邪険に扱う時の織田信長(吉田鋼太郎)のドSっぷりはともかく、攻撃をされながら、なんだか恍惚として見える光秀が相当ヤバく、本能寺の変にこもった念の強さを感じさせた。この路線で、信長と光秀のスピンオフを作ってほしい。

<戦国武将たちの困り顔コレクション>

 武将たちのドラマといえばいかつい顔と思いきや、困り顔が多いのが「真田丸」。一生懸命な男たちが困っている姿って、何だか萌えますよね!

●その8 真田昌幸

 戦ができないとすっかり元気がなくなるやんちゃなパパ。意外とかまってちゃんキャラで、上洛したのに秀吉に相手にされなかった時のしょんぼり具合といったら、まるで子どものよう!

<男と男の名場面・番外篇>

●上杉景勝×直江兼続

 実は見栄っ張りの上杉景勝(遠藤憲一)が、ついついいろいろな人にいい顔をして言うことを聞いてしまうのを必死で守り続ける直江兼続(村上新悟)。「御屋形様!」との叫びが切実。

●加藤清正×石田三成

 幼なじみの加藤清正(新井浩文)と石田三成。ともに理想に燃えて秀吉に仕えていたのが、次第に方向性が変わって、仲が悪くなっていく様子は、青春の終わりのようで切ない。

●室賀正武×真田昌幸

 第11回、暗殺に来た室賀(西村雅彦)と、一見穏やかそうに囲碁をする昌幸。お互い友情を抱きながらも、どちらかが死ななくてはならないという苦渋の対局は、見るのが辛い。

●真田信繁×伊達正宗

 面倒な上司をもったサラリーマンの、辛い気持ちを共有するような信繁と伊達政宗(長谷川朝晴)。見えない目の側に座らないでと注意されて、慌てて移動する信繁がかわいかった。

「真田丸」とは……
2016年1月から12月まで放送される大河ドラマ。ヒットメーカー三谷幸喜が、大坂の陣において徳川家康を追いつめるほどの活躍を見せた知将・真田信繁(堺雅人)を主人公にして描く戦国群像劇。父・昌幸(草刈正雄)、兄・信幸(大泉洋)という真田家の人々をはじめとして、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康とその家臣たちの、意外と人間臭い一面をユーモアたっぷりに描いて好評を博している。

2016.09.05(月)
Text=Fuyu Kimata
Photographs=NHK

CREA 2016年9月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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