一年を通して人気の野菜スイーツ

「ほかほか薩摩芋のバニラアイスクリーム添え」566円。

 夏だけでなく一年を通して人気のメニューは、「ほかほか薩摩芋のバニラアイスクリーム添え」。

 宮崎県産の金時芋をふかしてつぶし、生クリームと洋酒を加えた生地は、焼けばスイートポテトになるという素材の組み合わせ。ほくほくの温かな薩摩芋に濃厚なバニラアイスをのせたデザートは、家庭のおやつを思い出すような素朴でやさしい味わい。こちらもリピーターが多いメニューです。

夏の新作「季節の野菜羊羹:塩麹レモン」443円。8月末までカフェで提供。

 店内でもうひとつ味わいたいのは、白あんベースの「季節の野菜の羊羹」。夏の新作「塩麹レモン」には、白あんと寒天に加え、細かく削ったレモンの皮と果汁、塩麹、ラム酒とオレンジキュラソーが使われており、その口どけは水羊羹のようになめらか。レモンの皮の爽やかな苦みが利いた甘酸っぱい羊羹は、みずみずしくて口当たりが軽く、夏のおやつにもぴったりです。

 「野菜菓子というと今までは健康志向の素朴な焼き菓子が多かったのですが、私はヘルシーとかオーガニックをテーマにするのではなく、和テイストで純粋に美味しいものを作りたいと思ったんです」と花崎さん。

 今年は既にかき氷を食べ過ぎた! などという方は、カフェにて是非、「季節の野菜羊羹」をお楽しみください。

麻布野菜菓子
所在地 東京都港区麻布十番3-1-5
電話番号 03-5439-6499
営業時間 11:00~19:30
定休日 火曜
※2016年8月のお休みは23日(火)、29日(月)、30日(火)、31日(水)

小松めぐみ (こまつ めぐみ)
東京都生まれ。食い道楽の親の影響で、10代半ばにして料理に目覚める。大学卒業後、出版社勤務を経てフリーランスに。2000年に独立し、主に雑誌で飲食関連の記事を編集している。

Column

小松めぐみの和菓子で和む、ほっこり時間

落ち着いた和の空間で和菓子をいただき、ほっこり和む、幸せな時間。仕事の合間や散歩の途中に、自分の時間を取り戻せる甘味屋さんをご紹介します。

2016.08.21(日)
文・撮影=小松めぐみ