最も話題のイプサの眉パレット

アイブロウ クリエイティブパレット 4,200円/イプサ

 そして今シーズンもっとも話題なのが、イプサのパレット。これは眉という難しいパーツのキモをすべておさえた逸品で、従来の眉アイテムの概念を覆した。眉づくりにおいて決め手となるのは、

(1) 眉頭がぺったりせず、鼻のつけ根の彫りも表現されること。

(2) 眉尻の形がきれいに先細るようくっきり描けていること。

(3) でも眉全体はふんわり起毛感をつくること。

(4) 単純な茶色ではない眉色を、黄みや赤みで表現すること……

 なるほどこれは、知られざる眉のキモ。これらをすべてひとつのパレットにしてしまったのだから新しくないわけがない。仕組みも仕上がりもきわめてプロっぽいのに、使ってみるとむしろ従来のアイテムより簡単だったりもする。その秘密は、的確なブラシの形状にあったりする。1色に1ブラシのキメ細かいつくりの勝利なのだ。至れり尽くせりがワンパレットに入ったのだから、もう感心するしかない。

 こうした独創的なアイブロウたちから改めて学べるのは、眉の不思議。

 眉は顔の上で目立ってはいけないが、目立たなすぎてもいけない。線ではなく、ふさっとした帯状のカゲが欲しいわけで、だから眉トレンドも試行錯誤を繰り返して、この薄太眉に行きついたのだろう。また淡い発色と起毛感を化粧品で再現できるまでに技術が進化したからこそ、今、薄太眉がひとつの結論的なトレンドになったのだと、そう考えてみてはどうだろう。

 ともかく、今シーズンの新作アイブロウには、眉の本当がストンと見えてくる。いよいよ眉づくりは最終段階!!

齋藤薫 Kaoru Saito
女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイストに。女性誌において多数のエッセイ連載を持つほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『人を幸せにする美人のつくり方』(講談社)、『大人になるほど愛される女は、こう生きる』(講談社)、『Theコンプレックス』(中央公論新社)、『なぜ、A型がいちばん美人なのか?』(マガジンハウス)など、著書多数。

Column

齋藤 薫 “風の時代”の美容学

美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍する、美容ジャーナリスト・齋藤薫が「今月注目する“アイテム”と“ブランド”」。

2016.08.04(木)
文=齋藤 薫
撮影=吉澤康夫

CREA 2016年8月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

いまの47都道府県いいとこどり。

CREA 2016年8月号

日本のいいとこ、いいもの、おいしいもの!
いまの47都道府県いいとこどり。

定価780円