マレー半島とボルネオ島北部にまたがる常夏の国、マレーシア。実はこの国、知る人ぞ知る美食の国なのです。そこでこの連載では、マレーシアの“おいしいごはん”のとりこになった人たちが集う「マレーシアごはんの会」より、おいしいマレーシア情報をお届け。多様な文化が融け合い、食べた人みんなを笑顔にする、とっておきのマレーシアごはんに出会えますよ。

マレーシア版ワンプレートごはん「ナシカンダー」

一皿に盛り付けられたナシカンダー。下に白いご飯、上から時計回りに、味付けされたオクラ、キャベツ、カリフラワーとインゲン、そして揚げた魚を盛り、ご飯にはさらさらのカレーがたっぷり。これらすべてを混ぜながらいただくのが、ナシカンダーの食べ方。

 今回ご紹介するマレーシアごはんは、カレーにおかずを添えてワンプレートで楽しめてしまう「ナシカンダー」!

 ワンプレートごはんというと、なんだかおしゃれなカフェを連想しますが……。いえいえ、このナシカンダーは、ワンプレートながらご飯大盛り、スパイシーなカレーに肉も魚もしっかり食べられる、まさにがっつりごはん! マレーシアに行ったらぜひ食べていただきたいごはんです。

通りに面して「ナシカンダー」の看板を掲げたお店。ショーケースの中にはカレーや惣菜が並んでいる。(写真提供:杉生さん)

 ナシカンダーの「カンダー」は、マレー語で「天秤棒」という意味。その昔、「ママッ」と総称されるイスラム教のインド系民族が、ご飯(ナシ)やカレーを竿にぶら下げて売り歩いていたことがその名前の由来ですが、時を経た現代では、街角に店を構えるスタイルへと変化しています。

看板や店構えの配色の傾向として、緑、黄色が使われることが多い。街中でナシカンダー店を探す時の指標にしよう。(写真提供:ミロールさん)

 ナシカンダーの店では、ココナッツミルクやターメリックなどのスパイスが効いた数々のカレー、そして、同じくスパイスをたっぷり効かせた肉や魚、野菜などのおかずがずらりと並んでいます。目移りしてしまうほどたくさん並んだ料理の中から、自分の好きなものを選ぶ楽しさがナシカンダー最大の魅力!

 そして、もりもりと盛り付けている人から、あっさりご飯とカレーだけという感じでこぢんまりと食べている人まで様々。さっと盛り付けて食べられるため、時間がない時や一人でのごはんにもぴったりと、自分の好きなスタイルでごはんを楽しめるのがナシカンダーの特徴でもあります。

左:ショーケースに並んだカレーや惣菜の数々。食事時に合わせて行けば、料理がたくさん並び、どれを選ぼうかと悩んでしまうほど!
右:ご飯の上に大きな骨付きの鶏肉と、コロッケのようなジャガイモの惣菜をのせ、カレーもたっぷり。かなり満足なワンプレートごはん!

2016.08.07(日)
文=三浦菜穂子
撮影=三浦菜穂子、古川 音