vol.12 ハワイ (1)

地元ビジネスマンからも人気のレストラン

 ハワイの食シーンは、変わってきている。

 今までは「ロコモコ」に代表されるように、大味、大盛り、アバウトな料理が多い土地柄で、繊細な飯は難しく、美食のイメージとほど遠かった。

ダウンタウンとチャイナタウンのあいだあたりにある「ザ・ピッグ&ザ・レディー」。

 しかし1980年代後半頃から、CIA(カリナリー・インスティテュート・オブ・アメリカ:アメリカ最高峰の料理学校)卒のロイ・ヤマグチ氏が店を出し、 アラン・ウォンズ氏も出店。フレンチにハワイアンテイストを加えた“パシフィック・リム・キュイジーヌ”がもてはやされるようになる。

 本土からの裕福な旅行者が絶賛し、従来の店より高価ながら繁盛し、彼らの作る料理が、農家や牧場での野菜や牛の育て方を変え、良質な野菜や牛肉、豚肉を生むようになっていったのだ。

 この80年代の変革がハワイ料理界の第一次新潮流だが、その後、2010年頃から第二次新潮流が生まれる。

 先のCIA出身の若いシェフや「アラン・ウォンズ」出身のシェフたちが新たな料理店を出し、人気を得始めている。そういった店は、観光客相手だけではなく、地元の30~40代のビジネスマンがこぞって出かけているようなのである。

 そんな一軒が、ダウンタウンの「ザ・ピッグ&ザ・レディー」だ。

インテリアのセンスもいい。

 モダンベトナム料理をうたい、倉庫を改造した100人は入る客席は、常に満席。昼夜ともに行列ができている。

倉庫を改造した店内は常に満席。

 店名にちなんだ様々な豚の人形が置かれ、ベトナムの写真が飾られ、吊るした枯れ木や鳥かごのようなランプシェイドなどが配され、その自由な雑多さにセンスがあって、人々を惹きつける。

吊るした枯れ木や鳥かごのようなランプシェイド。

 並んでいるとおそらく地元の女性と思われる人が話しかけてきて、「ここはおいしいよ」と、自分のことのように自慢した。

2016.08.04(木)
文・撮影=マッキー牧元