今日の絶景

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一人のローマ教皇の故郷への思いから
理想郷が計画されたトスカーナの村

Magnificent View #1037
ピエンツァ(イタリア)

(C)Raimund Linke / Masterfile / amanaimage

 ピエンツァはイタリアのトスカーナにある、人口2000人ほどの小さな村。「トスカーナの小さな宝石」と呼ばれるここは、世界遺産にも登録されている。

 もともとここは、簡素な田舎町だった。だが、1459年、この村出身のエネア・シルヴィオ・ピッコローミニがピウス2世としてローマ教皇の地位についた時から、運命が変わり始める。

 優れた知識人でもあった彼は、ここを理想郷とするべく村の大改造を計画した。ルネッサンス期を代表する建築家のベルナルド・ロッセリーノに設計を依頼し、3年計画の工事に着手。東西約400メートルの村の中には、当時の最高技術の結集ともいえる宮殿や聖堂、広場が続々と建設された。

 だが、1464年、教皇とロッセリーノが亡くなったことから計画は中断。理想郷は完成しないまま、小さな都市が残された。

 未完とはいえ、オルチャ渓谷の丘の上にたたずむ美しい姿は、まさに宝石そのもの。ピウス2世が描いた理想郷は、今も輝きを失っていない。

2016.08.02(火)

文=芹澤和美

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