和菓子と猿田彦珈琲のクセになる組み合わせ

「あんみつ」は4月~9月末の夏季限定。900円。別添えの黒蜜も、お好みでかけて。

 夏季限定メニューの「あんみつ」は、焙じ茶ゼリーと小豆、こしあん、バニラアイス、白玉、桜の葉の塩漬けを重ねた、和風パフェのような華やかさ。ガラス器の下に氷を当てた、涼感溢れる演出も素敵です。コシのあるあんこは塩気が絶妙ですが、聞けば黒糖とお醤油が使われているのだとか。

 「甘さに対しての塩気も大切にしているのです。葛きりなどには塩物としてしば漬けを添えますし、きな粉にも塩が入っているんですよ」と聞いて、なるほどと納得。

7月上旬の上生菓子「七夕」。短冊を連想させる色を取り入れ、錦玉製の笹の葉をあしらった七夕らしいデザイン。上生菓子は1個450円。

 上生菓子のメニューは1週間ごとに変わっていきますが、練り切りと道明寺が常に1種ずつ、そして節句などにちなんだ伝統的な生菓子がその時々で用意されています。たとえば7月上旬の「七夕」は、胡麻あんを包んだ練り切り。白すり胡麻を混ぜた胡麻あんにはほのかなコクがあり、これもやはり、コーヒーと相性抜群です。この美味しさが外国人に知られれば、和菓子ファンが世界に広まりそうな予感。

 実は「くろぎ」オーナーの黒木純さんがこのお店を始めたのも、「日本が誇れる和菓子の文化をもっと発展させていきたい」という想いがあったからなのだそうです。

 和菓子と猿田彦珈琲のクセになる組み合わせ、ぜひともお試しください。

廚菓子くろぎ
所在地 東京都文京区本郷7-3-1
 国立大学法人 東京大学 本郷キャンパス春日門側
ダイワユビキタス学術研究館1階
電話番号 03-5802-5577
営業時間 9:00~19:00(18:30L.O.)
定休日 不定休
URL http://www.wagashi-kurogi.co.jp/

小松めぐみ (こまつ めぐみ)
東京都生まれ。食い道楽の親の影響で、10代半ばにして料理に目覚める。大学卒業後、出版社勤務を経てフリーランスに。2000年に独立し、主に雑誌で飲食関連の記事を編集している。

 

Column

小松めぐみの和菓子で和む、ほっこり時間

落ち着いた和の空間で和菓子をいただき、ほっこり和む、幸せな時間。仕事の合間や散歩の途中に、自分の時間を取り戻せる甘味屋さんをご紹介します。

2016.07.21(木)
文・撮影=小松めぐみ