シャンパーニュにあう「フレンチ風カニ玉」

タラバ蟹のソテーとスクランブルエッグ。

 そして、「タラバ蟹のソテーとスクランブルエッグ」。そう、つまりカニ玉です。生クリームを使うことで、なんの違和感もなく、フレンチ風カニ玉になっている!

 というか、スクランブルエッグが中華風になっている。シャンパーニュと合わせて、休みの日の朝に食べたくなってしまうような一品でした。

ヤングコーンとキャベツのパートフィロ包み。

 「ヤングコーンとキャベツのパートフィロ包み」も印象に残った一品です。つまりは春巻きなのですが、パートフィロというフレンチでもよく使われる、パリパリとした薄い生地で巻くことで、サクサク、ハラハラと春巻きよりもずっと軽やかな食感が表現されています。

 具は季節によっていろいろかわっていくと聞けば、次回は何が巻かれているかなと、食べながら次に来る時のことを考えてしまったほど。

クミンの香りをまとったTボーンステーキ。

 さてメインは、Tボーンステーキ! クミンの香りをまとって、季節の野菜がたっぷりと添えてあります。

 中華でTボーンステーキが出てくる意外性がまず楽しい。4種類のソースは、甜麺醤をベースにしたり、唐辛子を入れたものなど中華を感じさせるものもあれば、バジルを使った洋風なものも。

 麻婆豆腐なんかをアレンジさせて出てくるのかなあ、なんて、頭の固いことを考えていると、新鮮に裏切ってくれたのがこのメイン。

 主役をステーキにすることで、こんなにも中華とフレンチの融合が新しい印象になるのかと思わされました。

 日本の地で、本格中華と本格フレンチを融合させるなんて、ある意味、無謀な試みです。 だって、例えばフランスで、イタリア料理と和食の融合をやっていると置き換えれば、どう考えても簡単ではないと気づきます。

 でも、それを本気で取り組んだ先には、様々な広がりとおいしさがあることを感じさせてくれる料理の数々が登場します。

 デートで、あるいは以前のこの店を知るオジサマを誘っても、きっと大盛り上がりできることでしょう。

 ちなみにコースはこの後、チャーハンなどのご飯もの、そしてデザートの「豆鼓のチョコレートケーキ バニラアイス添え」もなかなかでした。

DAINI'S table(ダイニズテーブル)
所在地 東京都港区南青山6-3-14 サントロペ南青山ビルB1F
電話番号 03-3407-0363
営業時間 ランチ 11:30~15:00(L.O. 14:30)、ディナー 17:30~23:00(L.O. 22:00)
定休日 日曜
予算 コース 6,000円~12,000円、アラカルトあり。グラスワイン1,200円~、グラスシャンパン1,500円~。
URL http://www.dainis-table.com/
[2016年6月訪問]

浅妻千映子(あさづまちえこ)
1972年東京生まれ。聖心女子大学卒業。鹿島建設勤務を経て、フードジャーナリストに。「dancyu」などの雑誌や書籍で執筆活 動を行う一方、料理研究家としてワインスクールであるアカデミー・デュ・ヴァンで料理講師も務める。日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート。

 

Column

新店来訪! 美味しい出合いに一番乗り

ニューオープン、シェフやメニューが変わった店、面白い企画を立ち上げた店……などなど、なにかと「新しい」店を一番乗りで紹介するページ。「美味しい出合い」にご注目ください!

2016.07.18(月)
文・撮影=浅妻千映子