原料は牛、羊、山羊の乳で、表面に白カビを繁殖させて熟成させた軟質のチーズ。中でもカマンベールが代表選手。ブリやシャウルスなども知られる。クリーミーでクセもなくやさしい味わいなので、初心者にもおすすめできる。

Camembert (カマンベール)

クリーミーでねっとりした口当たり

 ノルマンディ地方産。世界的に最も知られるチーズだが、最後まで人の手で作られているのは稀。すべて手作りを今も守る製造者は現在4軒だけ。木箱に入れられ、Lait cru(生乳)、a lalouche a la main(手作業)と書いてあったら、間違いなく手作りのもの。

 クリーミーでねっとりとした口当たりが特徴。「平たいものではなく、しっかり厚みがあり、茸のようなふくよかな香りがあるものを選びましょう」。(1個250g ¥2400)

Coulommiers aux Truffes (クロミエ・オ・トリュフ)

黒トリュフを挟み、茸の香りを強調

 イル・ド・フランス地方クロミエ村で作られる、カマンベールよりもひとまわり大きいチーズ(350~500g)。ナッツや茸のような風味とコクがあり、クリーミーでねっとりとした口当たり。そのクロミエに黒生トリュフをふんだんに挟んだ。

 フランスではクリスマスの時季に出る風物詩。「トリュフが組織と合わさり熟成するので、とても心地よい味わいになります」。トリュフの代わりにクルミを挟む場合も。(1個500g ¥6000)

レストランではワゴンなどにチーズがのせられてサービスされる。たくさんの量に驚かされず、一品でもいいから試してみよう

Q:レストランではどんな風にチーズを選べばいいの?
A:自分の好みをはっきりと伝えることが大切
 美しい選び方は、この入門で紹介をしているタイプごとに1種類ずつ選ぶこと(全部ではなくとも、バランスよく頼むこと)ですが、分からなければ、正直に状況を伝えてみたらいかがでしょう。
 例えば、おなかがいっぱいだけど、するりと味わえるものを、とか、残っているワインに合うものを、とか。「おすすめは?」「珍しいものは?」という問いかけでもいいでしょう。ただ、どんな味わいのものが好き、嫌い、という自分の好みをはっきりと伝えることも大切です。
 先方は、チーズのスペシャリストですから、こちらの状況や好き嫌いを伝えれば、きっと、あなたに合うぴったりのチーズを選んでくれるはず。失敗をしてもいいというぐらいの気持ちで、一品でも試してみてください。
 きっと自分に合う、チーズに出会えるはず。そんな感動にぜひ巡り合っていただきたいと思います。

Salon du Fromage Hisada パリ1区パレ・ロワイヤル・オペラ店
住所 47, rue de Richelieu 75001 Paris
電話番号 +33・1・42・60・78・48
営業時間 10:30~19:30
定休日 日・月曜

Fromagerie Hisada パリ16区ポルト・ドゥ・サンクルー店
住所 17, rue le Marois 75016 Paris
電話番号 +33・1・42・88・34・30
営業時間 8:30~13:00、15:30~19:30
定休日 日・水曜の午後、月曜
URL madame-hisada.jp

photographs:Masatoshi Uenaka
realization & text:Aya Ito