プロがこっそり教える賢い海外旅行術

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誰も教えてくれない、この11月までに
チェルノブイリに絶対行くべき理由

2011年以降、観光客受け入れを始めたチェルノブイリ

チェルノブイリ原子力発電所4号炉。2016年11月ごろにはドームに覆われてこの姿は見えなくなる。

 先日、ウクライナにあるチェルノブイリ原子力発電所に行ってきました。

 1986年4月、チェルノブイリ原発の4号炉は、レベル7という史上最悪の事故を引き起こしました。それから今年で30年。かつては特別に許可された人しか立ち入ることのできなかったチェルノブイリは、2011年以降、公式に観光客を受け入れるようになりました。2015年には約2万2000人がチェルノブイリを訪問しています。では、チェルノブイリに行くにはどうすればよいのでしょうか。

4号炉前を数多くの労働者が行き交う。ガイガーカウンターは鳴り続けるが、彼らはむしろ我々を物珍しく見ていた。

 チェルノブイリがあるウクライナへは、日本人ならビザなしで入国できます。東京からキエフまでは、エティハド航空などが往復総額6万円台からカバーしていますが、所要時間が片道16~17時間と短くて便利なのは、イスタンブール経由のターキッシュエアライン(8万円台~)です。

 チェルノブイリへは個人で自由に旅行することはできず、必ずツアーに参加する形となります。ウクライナの首都キエフにある現地の旅行会社のツアーに参加するのが一般的。今回利用したのはソロイーストトラベル。英語でのやりとりとなりますが、レスポンスは終始迅速で信頼がおけました。

 日帰りツアーは95ドルから。それに強制保険代10ドルがくわわります(ガイガーカウンターは10ドルで借りられます)。

 事前に名前・パスポート番号・生年月日・国籍をつたえ、預かり金(ディポジット)を50ドル、クレジットカード払いをすれば予約完了。出発前に再度連絡が来て残金を支払い、後は当日朝8時に集合場所に行くだけです。

 ツアーのおもな内容は以下のとおり。

●チェルノブイリの町(復旧工事に使われた機械などの展示)
●廃村となったコパチ村の幼稚園(発電所から約5キロ)
●チェルノブイリ原子力発電所入口前(4号機から約270メートル)
●原発労働者の町プリピャチにある小学校・スイミングプール・カフェなど(発電所から約4キロ)
●原発労働者の食堂でのランチ

左:原発からわずか5キロにあるコバチ村の幼稚園。ここの庭のホットスポットではこの日最高の線量である毎時約19マイクロシーベルトを記録した。
右:30キロ圏内にはサマショール(自発的帰郷者)とよばれる人々が住む。現在は約160名で多くが高齢者だ。食料は1週間に1回、移動販売車が来る。家にはテレビはもちろん携帯電話もある。しかし、写真のイヴァンさんが住むパルィシフ村にはわずか4名の村民しかいない。

 やや割高にはなりますが、プライベートツアー(2人の場合、1人250ドル)にすると、サマショールとよばれる30キロ圏内の立ち入り禁止区域で暮らす人の自宅訪問や、原子力発電所のコントロールタワー(平日のみ。2週間前までに要予約)などのアレンジも可能になります。

ランチは原発の労働者と同じ食堂で同じメニューを食べる。これも貴重な体験だ。

 チェルノブイリ原子力発電所の事故によって、広島に投下された原爆の約400倍もの放射性物質が大気中に拡散しました。しかし、当時のソビエト政府は、西側諸国に対して国威を維持することなどから、当初、事故の実情を公開せず、被害の実態もあまり明らかになっていませんでした。

 しかし、1991年にソビエトが崩壊すると、作業員が黒鉛を手づかみで処理していたなど、ずさんな実態があきらかになっていきました。事故後も4号炉以外は稼働を続け、2000年までチェルノブイリでは発電が継続されていました。現在も送電のために施設は継続して利用されています。

ソロイーストトラベル
URL http://www.tourkiev.com/

<次のページ> 「石棺」の姿が見られるのはあと約5カ月

2016.07.04(月)

文・撮影=橋賀秀紀

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