気分は「世界の車窓から」♪ 
エトナワイン列車に乗って

エトナワイン列車の車窓から。噴火の爪痕、黒々とした溶岩原と緑のコントラストが面白い。

 ワイン好きな同志と共に列車に乗り込み、車窓を眺めれば、黒々とした溶岩原とエトナ山。非日常的な風景に、気分はすっかり「世界の車窓から」です。今回は、標高765メートルにあるランダッツォ駅から専用バスで歴史ある家族経営のワイナリー「ファットリア・ロメオ・デル・カステッロ」を訪問しました。

駅からは専用バスに乗り換え、ワイナリーへ。

 ブドウ畑には、噴火の爪痕、生々しい溶岩流の跡も残っています。大自然の脅威にさらされながらも土地を守り、テロワールを最大限に生かしたワイン造りを目指す若い女性の生産者の話に耳を傾けながら、自慢の赤ワインを試飲します。

「ファットリア・ロメオ・デル・カステッロ」の若きオーナー、キアラ・ヴィーゴさん。

 シチリアワインと言えば濃厚でパワフル、ガツンとくる南国の味! といったイメージしかもっていない人もきっと多いことでしょう。でも、フランス・ブルゴーニュ地方にもよく似たエトナ山の土壌で造られるワインは、そんなステレオタイプのイメージをいい意味で覆してくれる、衝撃的な体験です。

 土着の黒ブドウ品種ネレッロ・マスカレーゼ種やネレッロ・カプッチョ種が醸し出す、キレイな酸味と奥深さ。エレガントで上質なひとしずくには、復活と進化の物語が凝縮しているかのよう。まさに可能性を感じずにはいられません。

1981年の噴火による溶岩流で潰された畑から、数十年の時を経て自然に再生したブドウの樹。灼熱の溶岩に押しつぶされても根は生き残っていたという。

 かつて収穫したブドウを運ぶために造られたという歴史をもつエトナ周遊鉄道の「エトナワイン列車」。運行は7~12月の月4回のみ(10月は5回、12月は1回)。1日往路2本、帰路1本で、各駅からの送迎バスを用意する必要があるため、予約時に訪問希望ワイナリーを申告するなど、参加までには少々手間がかかりますが、ワイン好き、鉄道好き、山好き、パワースポット好き、シチリア好き……な方なら乗ってみる価値大。ぜひチャレンジしてみてくださいませ!

エトナワイン列車のスタッフたち。

Il treno dei Vini dell'ETNA(エトナワイン列車)
URL http://www.circumetnea.it/pagina.php?tab=menu_icone&id=2

Azienda Agricola Frank Cornelissen
(農業法人フランク・コーネリッセン)

URL http://www.frankcornelissen.it/default.htm

もっと簡単に体験したい方におススメ!
エトナ周遊鉄道+ワイナリー見学プラン

URL http://vacanzaitalia.ciao.jp/2016/06/25/etonavinoetreno/

岩田デノーラ砂和子
2001年よりイタリア在住。約10年間のローマ生活を経て、現在は憧れだったシチリアの州都パレルモ在住。イタリア専門コーディネート・通訳チームBuonprogetto主宰。イタリア関連著書多数。近著『おしゃべりのイタリア語』が絶賛発売中。イケメン犬「ボン先輩」と、やらかし系イタリア人の夫「ピンキー」との日々を綴る人気ブログ:ローマの平日シチリア便りもほぼ毎日更新中。

Column

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文・撮影=岩田デノーラ砂和子