マレー半島とボルネオ島北部にまたがる常夏の国、マレーシア。実はこの国、知る人ぞ知る美食の国なのです。そこでこの連載では、マレーシアの“おいしいごはん”のとりこになった人たちが集う「マレーシアごはんの会」より、おいしいマレーシア情報をお届け。多様な文化が融け合い、食べた人みんなを笑顔にする、とっておきのマレーシアごはんに出会えますよ。

マレーシア人は、ほぼ毎日カレーを食べている

 日本でカレーの匂いがぷわ~んとすると、マレーシアに行きたいな~と思う。それぐらいマレーシアは、町のいたるところでカレーの香りがしている国。

 多民族が暮らすマレーシアは、人口の約7%をインド系民族が占めています。彼らのいつもの食卓にあるのが、カレー。ここはインドか!? と思うぐらい本格料理を提供する店がたくさんあり、しかも値段がとてもお安い。

カレーの種類は、鶏・羊・海老・魚など幅広い。比較的、辛さはひかえめなものが多い。

 さらに、マレーシアで独自の発展を遂げたカレーも美味ぞろい。中国系は、コクのある濃厚カレー麺に仕立て、マレー系は、毎日食べるココナッツミルクご飯のおかずにカレーを抜擢。常夏という環境もカレーファンを増加させ、今やマレーシアでは、“カレーを食べにいく”という感覚ではなく、“気づけばカレーを食べていた”というぐらい、カレーが日常食になっています。

本場インドから渡ってきた人々を先祖にもつインド系民族。彼らの食文化の影響で、マレーシアのカレー料理は全体的にレベルが高い。

 そんなことを考えていたら、もういてもたってもいられません。カレーを食べに、クアラルンプールに行ってきました! 

バナナの葉っぱの上でくり広げられるカレーたちの饗宴

左手前より時計回りに、サクサク感を出すためにわざと手でクシャッとつぶしたロティ・チャナイ、イカフライ、魚と鳩の唐揚げ、バナナリーフカレー、マサラ・トーサイ。

 まず向かったのは、クアラルンプール郊外の住宅街「ペタリン・ジャヤ」。ここに、インド系民族が経営する店「ラジュ/RAJU」があります。

 テーブルの上に並んだのは、日本でもじわじわ人気が出ている南インド料理。高級インド米に豆・魚・鶏の3種のカレーをかける「バナナリーフカレー」。「マサラ・トーサイ」は、鉄板で焼いたクレープ状の生地の中に、カレー味のじゃがいもがぎっしり。また、特製スパイスに漬けこんだ魚や肉は、注文が入ってから油で揚げ、熱々で提供。

 これにココナッツジュースをつけても4人で90リンギット(約2,500円)というから、くぅ~たまらん。エアコンが無く、たまたま扇風機のない席に座ってしまったのでサウナ状態でしたが、それ以外は完璧!

RAJU RESTAURANT
所在地 No 27, Jalan Chantek,5/13, 46000 Petaling Jaya, Selangor
電話番号 03-7956-1361

2016.07.08(金)
文・撮影=古川 音