同い年である綾野剛との現場

――初めての映画の現場はいかがでしたか?

 衣装合わせのときから、たくさんのスタッフさんがいらっしゃって、とにかく緊張しました。ちなみに、誰もツッコんでこないですけど、今日の格好は役柄を意識したものを着せてもらっているだけですからね。断じて、私服じゃないですから! 冗談はさておき、芸人としての仕事もあるので、自分の出るシーンのときだけ、何日かおきで現場に行っていたんですが、その切り替えがやっぱり大変で……。新幹線の中でサングラスをかけて、スイッチを入れたりもしましたね。

――劇中では共演の綾野剛さん、YOUNG DAISさん、中村獅童さんと疑似家族のような関係性が生まれますが、現場の雰囲気はいかがでしたか?

 よく、ほかの映画のインタビューで「現場は和気あいあいとして楽しかったです」と聞くと、「嘘だろ?」と思っていたんですが、これが本当だったんですよ。僕と剛くん、DAISくんが同じ世代なんですよ。獅童さんは本当に兄貴キャラだから、役柄の状況にも合って、すぐに仲良くなりました。みんなでタバコ吸って、お酒飲んで、ご飯食べて、楽しかったですね。ただ、三重ロケで「剛くんを一目見たい」という人が600人ぐらい溢れかえっていたときがあったのに、剛くんが先に帰ってしまったんです。僕しか残ってなくて、あのときは気まずかったですね。

――今回の俳優経験によって、芸人としての意識はどのように変わりましたか?

 同い年の剛くんがこういう大作で主演としてやっているなか、僕はまだお笑いで結果を残せていないので、これを機にもっと頑張ろうと思いました。あと、片言の日本語を喋る外国人のコントが増えました。芸人としての目標は、もっとバラエティ番組に出演させていただくことですが、どこかで「ブラジルで一番悪い奴ら」みたいな作品に出るために備えているかもしれません(笑)。庭でガーデニングしていたら、ヤバいハッパを栽培していると思った警察がやってきたこともありますし、カラオケ行ったら勝手に「ウィ・アー・ザ・ワールド」を入れられたり、こういう見た目で大変だったことも多かったけれど、また役者として声をかけてもらえたら嬉しいですね。

2016.06.24(金)
文=くれい響
撮影=榎本麻美