BLマンガ基礎講座

BLマンガ基礎講座

BLマンガの魅力を知るための早道
『腐女子のつづ井さん』の荒ぶる萌え

【BLの愉しみは腐女子に学べ。】

 男性同士の恋愛物語を創作したり、それらを愛読する女性を腐女子と呼びます。また少数派ですが腐男子と呼ばれる男性読者も存在します。性別の頭に“腐”をつける呼称はネット発と言われていて、男性同士の恋愛物語を愛好するコミュニティが、ある種のユーモアと自嘲を込めて命名し定着したという経緯があります。

 この呼び方が適切かどうかは議論の余地があると思いますが、それはさておきBLマンガの魅力を知りたいなら、腐女子が描いたコミックエッセイを読むのが早道です。BLのどこに萌え、何を楽しみとし、どんな日常を過ごして友人と交流しているのか、とても身近に理解できます。しかも笑える。

楽しく平和なオタク活動! 彼ピッピより、推しカプ優先

 『腐女子のつづ井さん』の作者・つづ井さんはCREA読者より若い世代で卒業を控えた現役女子大生。これ以上年齢が下がると作者が中高生になるわけで、出版までこぎ着けるにはクオリティが難しく、ゆえに本作が現在、腐女子の生態を描いた作品として最新で最前線。ネットで大人気となり書籍化されたというのも今どきの流れです。

 本作にはつづ井さんの荒ぶる萌えと学生生活が綴られています。主な登場人物は大学の友人で擬態の神であるMちゃん、古文で想いをしたためるオカザキさん、幼馴染みのゾフ田という3人のオタクで腐女子の面々。それぞれのオタクとしてのこだわりに胸を打たれること請け合いです。

 「いつもの腐女子会」のタイムスケジュールや「わたしのかんがえたさいきょうの老後」の絵図が天国すぎる!……このメンタリティはよくわかると思ったあなた。素質がありますよ。BL、読んでみませんか?

『腐女子のつづ井さん』(既刊1巻) つづ井

女子大生腐女子のつづ井さんが主人公。オタク属性を持つ作者のコミックエッセイは、日常生活における優先順位が読みどころのひとつ。腐女子カルチャーは、すでに40年ほどの歴史を持つ。その最新事情を知りたいならこの本を読めばいい。
KADOKAWA 950円
» この書籍を購入する(Amazonへリンク)

福田里香 (ふくだりか)
お菓子研究家。『まんがキッチン おかわり』(太田出版)と文庫版『まんがキッチン』(文春文庫)が好評発売中。

<この記事の掲載号>

CREA 2016年6月号

がんばりたくない人のための
だらだらリラックスのすすめ。

定価780円

2016.06.05(日)

文=福田里香

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