三雲孝江さん考案のフェイスアップクリップ

 だからこそ、こめかみだけでなく、どこにでも使えてしまう。裏ワザとしては、耳の後ろに貼れば、ほうれい線やフェイスラインも引きしまる。また耳の前に貼れば、目のたるみに加え、毛穴まで目立たなくなる。額でも、フェイスラインでも、首もとでも、引き上げたり、引っ張ったりしたいところに、どこでも使えるのだ。もちろんテープをより目立たなくする工夫は必要だけれども、上から軽くパウダーで押さえるだけ。見えてしまったらなんにもならないテーピング。でも見えなければ絶大な効果を持ち、なんでも出来ること、思い知るはず。

 さて、フェイスアップクリップの方は、なんとフリーアナウンサーの三雲孝江さん考案。昔から耳の上の髪を三つ編みして引っ張って後ろで結ぶのは、女優リフトのひとつとして現場でよく使われてきた方法。でもこの方法、ショートヘアには通用しない。だから三雲さんが自分で作ってしまったというのがコレ。三つ編みの代わりに、耳の上の髪をゴムでつながった対のクリップで留めて、引き上げるというもの。これまた原始的だけれど、“意外”なほど使い勝手のいい作り……。明快なこめかみリフト実感が得られるから、引き上がるだけでなく、ちゃんと美人に見える上に肌もキレイに見える。

 どちらも大ヒット、ロングセラーで知られるが、それは本当にデキる製品である証。人に教えたいような、教えたくないような顔整形。どちらにしても、ずっと続けられなければ意味がないが安価ゆえに続いてしまう即効リフト。こういうものがあること、知っておくと人生少し楽になる。

齋藤薫 Kaoru Saito
女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイストに。女性誌において多数のエッセイ連載を持つほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『人を幸せにする美人のつくり方』(講談社)、『大人になるほど愛される女は、こう生きる』(講談社)、『Theコンプレックス』(中央公論新社)、『なぜ、A型がいちばん美人なのか?』(マガジンハウス)など、著書多数。

Column

齋藤 薫 “風の時代”の美容学

美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍する、美容ジャーナリスト・齋藤薫が「今月注目する“アイテム”と“ブランド”」。

2016.06.06(月)
文=齋藤 薫
撮影=吉澤康夫

CREA 2016年6月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

だらだらリラックスのすすめ。

CREA 2016年6月号

がんばりたくない人のための
だらだらリラックスのすすめ。

定価780円