フィルム技術を応用した照明ファンデ

 写真フィルムをつくってきた歴史がいよいよ120%生きたコスメの完成!!

 なぜ、富士フイルムが“化粧品”をつくるの? アスタリフトのデビューの時、じつは業界内にもずい分そういう声が聞かれた。

 異業種による化粧品の参入は珍しくないものの、これまでは食品やジュエリーなど、化粧品とも自然な繋がりをもつ業種がほとんどで、だから、やっぱり富士フイルム参入の違和感は否めなかった。デジカメ普及で、フィルムが売れなくなったから? なんて意地悪も聞かれたほど。

 でも実際には、フィルムと化粧品には深い深い繋がりがあった。写真フィルムの素材は50%がコラーゲン。化粧品成分としてコラーゲンが脚光を浴びるようになるはるか前、80年近く前から富士フイルムはコラーゲン研究を積み重ねてきていた。フィルムの劣化を防ぐなどのため、より優れたコラーゲンを求め続けてきたのである。加えて富士フイルムは、レントゲンフィルムの開発から医学的な視点も昔からもっていて、化粧品参入は意外なくらい自然なものだったと言っていい。

富士フイルム独自の新光学粉体ライトアナライジングパウダーをベースに設計。肌の欠点をさらけだす光の吸収と反射をコントロールして、どんな条件のもとでも理想的な肌色の光を反射。1日中、オーロラのような白い光で照らされた肌色を維持するパウダーファンデ。
アスタリフト ライトアナライジング モイスチャーファンデーション〈パウダータイプ〉全5色(写真は標準色のオークル10) SPF20/PA++ レフィル各¥3570 コンパクト¥1050パフ¥315/富士フイルム ヘルスケア ラボラトリー

 逆に、コスメ界が発想できなかった既成概念を覆すようなユニークなエイジングケアを開発し、肌が食べるゼリー、ジェリーアクアリスタを大ヒットさせている。

 そして2011秋、満を持して発表したファンデーションは、まさに富士フイルムの本領発揮。“人の肌を撮り続けてきたフィルムメーカー”でなきゃつくれないような高機能ファンデを発表したのだ。

 そう、私たち人間の肌ってとても厄介。場所によってきれいに見えたり汚く見えたり。すべては光の種類や光の環境によるもので、地下鉄の電車の中のように、肌が最悪の見え方をする場所には“上からの光である上に、狭い室内で光が逃げない”という理由があったのだ。

 そういう中で、どんな光の中でも人の肌を美しく再現することに力を注いできたのが、富士フイルム。その研究成果をベースにファンデの特殊粉体を開発、光をコントロールして、肌の欠点を目立たせない、すごいファンデを開発したのだ。

 問題は光が当たる“角度”にあること、黄色い光がいちばん肌を汚く見せること、などをすべて考慮し、言ってみればプロがモデルの肌を美しく撮る時の完璧なライティングを、粉体の中に内蔵した“照明ファンデーション”ができあがった。ここ独自の“ライトアナライジングパウダー”は、確かにファンデの粉体技術でも画期的なものといわれる。

 面白いのは、人間の脳には“理想的な肌色”がすでにイメージとしてインプットされているから、その肌色を超えないと美しく見えないのだという現実。それも富士フイルムだから掴んでいた、とても重要な問題だが、中途半端な肌色美じゃダメってことも踏まえたファンデだから、仕上がりがきれいなのだ。

 これをつけている日は本当に「今日きれい」と言われる。一日中、肌色がくたびれない。電車の中でも恋が芽生える夢を見たい人は、ぜひ!

齋藤薫 Kaoru Saito
女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイストに。女性誌において多数のエッセイ連載を持つほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『人を幸せにする美人のつくり方』(講談社)、『大人になるほど愛される女は、こう生きる』(講談社)、『Theコンプレックス』(中央公論新社)、『なぜ、A型がいちばん美人なのか?』(マガジンハウス)など、著書多数

Column

齋藤 薫 “風の時代”の美容学

美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍する、美容ジャーナリスト・齋藤薫が「今月注目する“アイテム”と“ブランド”」。

2011.12.15(木)
text:Kaoru Saito
photographs:Yasuo Yoshizawa(still life)

CREA 2011年12月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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