おとなになって、高級なレストランに行くようになったし、おしゃれな料理もたくさん知っている。でも、ふとした瞬間に、母の手料理が恋しくなったりしませんか?

 カレー、生姜焼き、ハンバーグ、肉じゃが……。慣れ親しんだあの味に出合える、ほっとできる家庭料理のお店をご紹介。

» 第1回 食べだしたらとまらない「鶏の唐揚げ」
» 第2回 からだがほしがる「野菜」
» 第3回 やっぱり食べたい「魚」
» 第4回 おとなになっても好きな「カレー」
» 第5回 ふっと恋しくなる「生姜焼き」
» 第6回 ニッポンのうまい「洋食」
» 第7回 懐かしの「卵焼き」
» 第8回 ときどき食べたい「ハンバーグ」
» 第10回 ぐつぐつ「煮物」
» 第11回 結局おいしい「ごはん」

【おふくろの味】
#09 汁もの

 白飯におかず、そして汁もの。この三点セットは日本のごはんのスタンダード。今回ご紹介するお店は、ボリューム満点の気取らない豚汁を早朝から食べられます。

毎日築地で食材を仕入れる元気な大衆酒場

◆ やえす初藤[八重洲]

左:豚汁定食(朝食限定) 520円。
右:名物のモツ煮込み 470円。芝浦直送の新鮮なモツの味を楽しめるよう、あえて大根は入れないというこだわりも。

 家庭料理の汁ものでも、豚汁は定番中の定番。東京駅の地下街に店を構える「やえす 初藤」の豚汁は、根菜や豆腐など、具材は至って普通だが、ボリュームがちょっと違う。たっぷりの具が入った豚汁は、仕上げにごま油をちょっぴり加えて香り付けし、気取らず、どこか懐かしさを感じる自然な味に。

左:自然の木と土壁の落ち着いた雰囲気の店内。
右:昭和20年代に、「大衆酒場 金楽」として開業し、東京駅地下街開設にともない屋号を「初藤」と改名。

 朝限定の豚汁定食には、漬物や切り干し大根の小鉢のほか、味の玄人から絶大な信頼を得ている築地の老舗「丸山海苔店」ののりも添えられる。開業以来のこだわりは、食材を毎日築地に仕入れに出向くこと。「早い、うまい、安い」をモットーにしている元気な大衆酒場だ。

やえす初藤
所在地 中央区八重洲2-1 八重洲地下街 北1号
電話番号 03-3275-1676
営業時間 7:00~22:00、金曜 7:00~22:30、土日祝 7:00~21:30
定休日 無休
席数 130
料金 特製!角煮 820円、刺身10点盛り 2,300円
※カード利用可、価格はすべて税込

2016.06.01(水)
文=大嶋律子
撮影=釜谷洋史

CREA 2016年6月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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