おとなになって、高級なレストランに行くようになったし、おしゃれな料理もたくさん知っている。でも、ふとした瞬間に、母の手料理が恋しくなったりしませんか?

 カレー、生姜焼き、ハンバーグ、肉じゃが……。慣れ親しんだあの味に出合える、ほっとできる家庭料理のお店をご紹介。

» 第1回 食べだしたらとまらない「鶏の唐揚げ」
» 第2回 からだがほしがる「野菜」
» 第3回 やっぱり食べたい「魚」
» 第4回 おとなになっても好きな「カレー」
» 第5回 ふっと恋しくなる「生姜焼き」
» 第7回 懐かしの「卵焼き」
» 第8回 ときどき食べたい「ハンバーグ」
» 第9回 ほっこりやすらぐ「汁もの」
» 第10回 ぐつぐつ「煮物」
» 第11回 結局おいしい「ごはん」

【おふくろの味】
#06 洋食

 コロッケ、ナポリタン、オムライスなど、新しもの好きな日本人がアレンジして誕生した、ニッポンの洋食たち。 「ハイカラ」という言葉が似合う、歴史あるお店に、足を踏み入れて。

シンプルな料理だからこそ調味料や野菜を厳選

◆ ひまわり亭[神泉]

左:手作りコロッケ定食 1,000円。日替りの小鉢(この日は昆布と大豆の煮物)、温野菜やだし巻き卵、ごはん、味噌汁、漬け物付き。ランチは、手作りコロッケ定食と、日替り定食の計3種類から選べる。
右:豆腐のハンバーグ定食 1,000円。

 「うちのコロッケは、じゃがいも、挽き肉、玉ねぎ、にんじんだけ。特別なことはしていないのよ」と店主の赤沼僚子さんは言うが、シンプルな料理だからこそ、こだわりの調味料や野菜を厳選。埼玉「味輝」の自社培養天然酵母で焼き上げた無添加パンの生パン粉、揚げ油には埼玉「米澤製油」の国産ブレンドなたね油を使い、その日一日分の仕込みを毎朝行う。

左:米麹を発酵させた自家製の甘酒 300円。
右:店主の赤沼僚子さん。

 お母さま譲りの味に赤沼さんの工夫をプラスした、毎日食べても飽きのこない味わいが人気の秘密だ。ファンの多い味噌汁のだしにも手間をかけていて、新潟から取り寄せている煮干しの頭をオーブンで空焼きするなど「みんなのお母さん」の料理には食への愛情が込められている。

木のぬくもりが感じられる店内はオープンキッチンで、女性ひとりでも入りやすい。現在はランチタイムのみの営業。夜のメニューが再開されるのを期待したい。

ひまわり亭
所在地 渋谷区鉢山町2-1-101
電話番号 03-3780-0907
営業時間 11:30~14:00(L.O.)
定休日 土、日、月曜
席数 18
料金 鶏の唐揚げ、豚肉の生姜焼、魚料理の定食など 各1,000円
※カード利用不可、価格はすべて税込

2016.05.29(日)
文=秋山由佳里
撮影=石川啓次

CREA 2016年6月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

だらだらリラックスのすすめ。

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