グルテン・フリーやヴィーガンのスイーツも

ケーキがずらり。実際に見て指さしオーダーができます。
グルテン・フリーの、オリーブ・オイルを使ったピスタチオ・ポレンタ・ケーキ。

 アフタヌーン・ティーは、サンドイッチにクロテッド・クリームとホームメイド・ジャムを添えたスコーン、そしてケーキにお茶のセット。ケーキは何種類かのなかから選ぶことができます。パティスリー・シェフのトヤさんが作り出すスイーツは、どれも英国らしさを感じる素朴な焼き菓子でありながら、エディブル・フラワーやフルーツなどを飾った見目美しい仕上がりです。

 オーナーのアラステアさん自身が動物製品を一切とらないヴィーガンということもあり、ケーキのセレクションのなかにも、ヴィーガンやグルテン・フリーといったチョイスが。あらかじめ電話で予約しておけば、サンドイッチも含め、対応可能とのことなので、お問い合わせを。お茶の種類もイングリッシュ・ティーだけでなく、ウーロン茶や玄米茶など、10種類以上のなかから選ぶことができます。

いまが旬の英国の味、ルバーブのケーキ。ルバーブは赤い茎の部分を甘く料理して使われる英国人には人気の野菜です。
飾り付けも美しいヴィーガン・チョコレート・ケーキ。

 さて、このティー・ルームの母体であるコーチ&ホースィズは、19世紀から続く歴史あるパブ。作家のジェフリー・バーナードや俳優のピーター・オトゥール、英国で人気の風刺雑誌「プライベート・アイ」の編集部の面々など、多くの有名文化人が、常連に名を連ね、またそれと同じくらい有名なのが、16歳から63年間このパブに尽くし、10年前に引退した前オーナー、ノーマン・バロン氏。

 相手が政治家であろうと「Fワード」で応戦する、「The Rudest Landlord in London(ロンドンで最も不躾な家主)」と呼ばれた名物オーナーにしてソーホーの顔でした。ティー・ルームを訪れたら、1階のパブに数多く飾られている写真や風刺画もぜひご覧あれ。そんなロンドンの小さな歴史の一幕を垣間見ることができます。

アラステアさんが個人的にコレクションしたヴィンテージの王室テーブルウェアの販売も行っています。

Soho's Secret Tea Room
所在地 Upstairs at the Coach & Horses, 29 Greek Street, London W1D 5DH
電話番号 020-7437-5920
営業時間 12:00~18:00
定休日 無休
URL http://www.sohossecrettearoom.co.uk/

安田和代(KRess Europe)
日本で編集プロダクション勤務の後、1995年からロンドン在住のライター編集者。日本の雑誌やウェブサイトを中心に、編集・執筆・翻訳・コーディネートに携わる。
ロンドンでの小さなネタをつづったフェイスブック www.facebook.com/kresseuropelimited
運営する編集プロダクションのウェブサイト www.kress-europe.com

Column

気になる世界の街角から

世界の12都市から、何が旬で何が起きているかをリポートするこのコーナー。
その街に今すぐ飛んで行きたくなる情報ばかりです!

文・撮影=安田和代(KRess Europe)