思わず「ビール!」と言いたくなる点心も

 揚げ物では、「春巻」が定番。パリパリの皮の中の具は、野菜たっぷり。「芝麻蝦筒(エビ入りゴマ付き春巻き)」は、中にプリプリのエビが入っています。皮に付けたゴマがとても香ばしく、クセになるおいしさ。

 「明蝦角(揚げ餃子)」も、サクサクの皮の中はたっぷりのエビ。「マヨネーズを付けて食べると、香ばしくて、思わずビールが飲みたくなるでしょう」と施さんはにっこり。

左:手前から「明蝦角(揚げ餃子)」3ヶ720円、「芝麻蝦筒(エビ入り胡麻付き春巻)」3本630円、「春巻」3本540円。
右:上から時計回りで「スペアリブ」、「柱候金銭肚(牛の胃袋の蒸し物)」600円、「豉汁蒸鳳爪(鶏の足黒豆蒸し)」600円、「錦銹蒸竹巻(ゆば巻き蒸し春巻)」600円。

 新しいメニューやお店が次々にできて、食がどんどん進化している香港の街。点心も変化してきているのだそう。「熊さんが作る昔ながらの点心メニューは、香港の人が懐かしがる」と施さんは言います。

 鶏の足を煮た「鼓汁蒸鳳爪(鶏の足黒豆蒸し)」。皮をこそげるように食べます。ちょっとグロテスクで食べにくいという人もいますが、プルプルでコラーゲンたっぷり。醤油と黒豆(トーチ)を使っていて、初めてでもどこか懐かしい味。

 「柱候金銭肚(牛の胃袋の蒸し物)」は、牛の胃袋(ハチノス)のなめらかな食感を楽しみます。これもクセになるおいしさ。「錦銹蒸竹巻(湯葉巻き蒸し春巻)」も、香港での定番。

 他にも「スペアリブの蒸し物」など。

 プリプリ、モチモチ、ムチムチ、パリパリ、ジュワー……。手作りならではの、色々な食感と味わい。香港でポピュラーなお茶、寿眉茶や普洱茶を飲みながらだと、いくらでも食べられそう。色々つまんでいると、香港を旅している気分。

2016.05.22(日)
文・撮影=そおだよおこ