“何もしない”ために行く 日本の贅沢宿6選

“何もしない”ために行く 日本の贅沢宿6選

ニセコの原生林に溶けこむ温泉旅館
「坐忘林」がリピーターを生む理由は

五感すべてで自然を堪能。ぼーっとする時間こそが贅沢です

2015年、ニセコにオープンした「坐忘林」。露天風呂から望む景色の雄大さは非日常。秋は紅葉、冬は雪景色と、ダイナミックに色合いが変わるのも贅沢だ。

 宿に泊まって過ごすひとときは、その土地での目的はなんにせよ、いつもの生活とはまったく違う時間を過ごせることが大切だと思っています。といっても、ただ豪華な設えが「非日常」「贅沢」ではありません。

 僕なら、なんといっても五感で感じられる自然こそが最高の贅沢です。特に5月、GWが明けた頃は新緑が美しく、空では鳥が歌い、生命が動き出す一大スペクタクルを感じられる季節。6月に入ればホタルを見られる場所もあるかもしれません。いつもはバタバタとしてなかなか余裕がありませんが、宿ではそういう空間に身を置いてひたすらぼーっとするのが最高のリラックスであり、「贅沢」な時間になります。

 ぼーっとするからには誰とも話したくない、という「ほったらかし」(もちろんその裏には手厚いホスピタリティが)を望むときもあれば、日本旅館ならではの「至れり尽くせり」を求めるときも。また、秘湯でひたすらゆるめられるのもいい。そんな僕なりの「贅沢宿」をご紹介します。

◆ 坐忘林[北海道]

目に入るものすべてのセンスが抜群!

林に覆われたように佇む隠れ家のような宿。鳥の声や風のざわめきにも耳を傾けて。

 2015年、ニセコにオープン。広大な原生林の中に溶けこむように平屋が建ち、客室はわずか15室。それぞれに源泉掛け流しの内風呂と露天風呂があり、絶景を眺めながら体をリラックス。四季折々で表情をがらりと変える大自然に、リピーターが多いのも頷ける。

客室は独立し、すべて70平方メートル以上。館内にはライブラリーや羊蹄山を望むバーも。

 「オーナーはイギリス人の写真家で、大自然との建築物の調和といった大きな視点から、料理の盛り付けまで、目に入るものすべてのセンスがよく、『デザインされた日本の美』を感じます。個人的にはルームサービスでワインをとって、部屋でときどき内湯に浸かりながらゴロゴロ。豊かな自然に包まれるように過ごしたい」(岩佐さん)

北海道生まれの料理長が、道内の生産者を訪れてみつけた食材を使う。北海道らしいダイナミックさを兼ね備えた「キタカイセキ」。

● ここがいい!
・圧倒的な大自然に囲まれる
・センスのいい快適さ

坐忘林
所在地 北海道虻田郡倶知安町花園76-4
電話番号 0136-23-0003
料金 1室2名利用(1泊2食付)1名料金 55,000円~(税・サービス料込)
部屋数 15室
URL http://zaborin.com/

● 今回お話を伺ったのは……

岩佐十良(いわさ とおる)さん
『自遊人』編集長。東京都生まれ。新潟県南魚沼市在住。編集者、クリエイティブディレクター、株式会社自遊人代表取締役。温泉や食の記事に定評がある雑誌『自遊人』編集長として活動し、話題の宿、「里山十帖」のオーナーでもある。

<この記事の掲載号>

CREA 2016年6月号

がんばりたくない人のための
だらだらリラックスのすすめ。

定価780円

2016.05.15(日)

text=Mei Hojo

※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

CREA 2016年6月号

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