La Fontaine de Mars
ラ・フォンテーヌ・ドゥ・マルス

ここにすべてが凝縮、これぞ“ザ・ビストロ”!

手前にあるお皿が“ブランケット・ドゥ・ヴォー”20ユーロ。肉にはブイヨンの味がしっかりしみ込み、ソースもなめらかでやめられないおいしさ。一度は食べる価値あり。奥は“蒸しダラのアイオリソース”37ユーロ。ソースに入ったニンニクが食欲をそそる

  そこに行けばいつもある、という安心感。あの料理を食べたいなら、あの店に行けばいい。

  てきぱきとした気持ちのいいサービスで、間違いのない味が楽しめる。そう思える店は、パリでもなかなかない。

  こちらのお店は、20世紀初頭から同じ名を掲げて存在しており、それだけの年月を経てきた場所ならではの風格が漂っている。

ポロねぎのラヴィゴットソース シブレット、チャービル、ディル、バジルとハーブをたくさん加えたソースは爽やか。少し入ったヘーゼルナッツが香ばしく、ポロねぎの甘みを大いに楽しめる。12ユーロ

  現オーナー夫妻がここを買い取り、オープンさせたのは20年前。シェフをはじめ、当時からほぼ変わらぬスタッフで今に至る。

  料理は伝統的なもの。ラインナップに多少の変化はあるものの、ずっと出し続けている料理に関しては同じレシピを守り続けている。

  メニューには、曜日別の日替わり料理もあり、それを目当てに行くのもいい。火曜は、カスレにも入っている力強い旨みがじゅわっと口中に広がる自家製のソーセージにレンズ豆を添えたもの、木曜日は絶品の“ブランケット・ドゥ・ヴォー(仔牛のクリームシチュー)、“土曜日は食べられる店がますます少なくなっている乳飲み仔羊のローストと、クラシック好きには嬉しくなる品揃え。

  それぞれが実に丁寧に、素材の持ち味を壊すことなく大切に包みこんで作られている。人々が懐かしさを覚えるような安心できるおいしさ。名店だ。

La Fontaine de Mars(ラ・フォンテーヌ・ドゥ・マルス)
住所 129, rue Saint-Dominique 75007 Paris
電話番号 +33・1・47・05・46・44
URL www.fontainedemars.com
営業時間 12:00~15:00、19:30~23:00
定休日 無休

photograpghs:Shiro Muramatsu/Taisuke Yoshida
realization & text:Akiko Kawamura
configuration:Shojiro Yano