マレー半島とボルネオ島北部にまたがる常夏の国、マレーシア。実はこの国、知る人ぞ知る美食の国なのです。そこでこの連載では、マレーシアの“おいしいごはん”のとりこになった人たちが集う「マレーシアごはんの会」より、おいしいマレーシア情報をお届け。多様な文化が融け合い、食べた人みんなを笑顔にする、とっておきのマレーシアごはんに出会えますよ。

マレーシアは飲み物パラダイス!

スカイジュース(手前)。日本に住む私たちからすれば、マクドナルドのスマイル0円のような発想だが、マレーシアでは安価ではあるけど、ちゃんと値段のあるメニュー。氷入りではなく常温か白湯で飲むのが通常。

 マレーシアは、国民の半数以上をお酒を飲まないイスラム教徒が占めています。そのため、たとえばタイの「シンハー」やベトナムの「バーバーバー」のような自国で生産しているビールはなく、屋台やレストランで提供しているアルコールの種類も比較的少なめ。

 でもそのかわり! ソフトドリンクのメニュー開発には非常に熱心。生搾りの果物ジュース、健康にいいとされる漢方系ドリンク、エネルギー補給の健康飲料、豆乳、そして紅茶「テタレ」や珈琲など、ありとあらゆるジャンルの飲料が屋台やドリンクスタンドで手軽に楽しめます。日本では見たことのない珍しいジュースにも出合えるのです。

 さて、ここで問題です。マレーシアの屋台でときおり見かけるメニュー名「スカイジュース」。何だと思いますか? スカイ=空。空から降ってくる天の恵みといえば……そう、お水!

 な~んだお水か、と思うかもしれませんが、暑いマレーシアで快適に過ごすには、水分補給はとっても大事。マレーシア人は味の好みだけでなく、そのときの体調に合わせてドリンクを選ぶことが多く、果物を使った生搾りジュースも、疲労回復や夏バテ解消に効能があるといわれるものが数多くあります。

 そこで今回は、マレーシアのフルーツジュースに注目。おいしいだけじゃない。ギラギラと太陽が照りつける南国、マレーシア滞在を楽しくしてくれる強力な助っ人たちを紹介しましょう。

2016.04.15(金)
文=古川 音
撮影=古川 音、三浦菜穂子