アテネでどうしても食べたいデザートは?

ローマ時代に造られたアドリアノス門。路面電車も行き来する目抜き通りの傍らに、当たり前のように遺跡があった。

 アクロポリス遺跡と新アクロポリス博物館を堪能した後は、昨日と同じように坂を下って市街地に向かった。ホテルでひと休みしようかと思ったけれど、その前にゼウス神殿に立ち寄ることにした。ここにも共通パスで入ることができる。

 路面電車も走るアマリアス大通りに面して、ローマ時代の2世紀に造られた、高さ約18メートルのアドリアノス門があった。ゼウス神殿はそのすぐ後ろにある。ところが、入り口がなかなか見つからない。門に向かって左手に回り込んだところに小さな入り口があった。ここで共通パスを見せて中へ。

ゼウス神殿。一部だけが残されているとはいえ、かなりの迫力!

 ゼウスは、オリンポスの12神の中の最高神。そのゼウスに捧げるために造られた大規模な神殿だ。建設途中で中断するなどした後、着工から実に600年以上の歳月を経て完成した。高さ約17メートルのコリント式の柱が104本あったとされているが、現在残っているのは15本。それでも圧倒されるのだから、104本もあったらどんなに壮大な神殿なのかと想像もつかないというものだ。

ギリシャ料理を楽しむことができるレストラン「アティナイコン」。

 一度ホテルに戻ってひと休みした後、レセプションでお勧めのレストランを聞いてみた。候補は2軒。そのうちの、徒歩圏内のミトロポレオス通りにあるギリシャ料理店「アティナイコン」に行くことにした。1932年創業のレストランの2番目の店舗だ。

 店内はオレンジが鮮やかでモダンなインテリア。男性のグループや家族連れ、カップルなどでにぎわっていた。

「アティナイコン」の店内は、オレンジが効いたモダンなインテリア。

 料理はギリシャならではのメゼ(前菜)を中心に、魚介料理が多い。ひとりなので、あまり種類は頼めないけれど、野菜のグリル、アンチョビ(小イワシ)のグリル、魚介のトマト煮込みをオーダー。焼きたてのアンチョビが香ばしくて、オリーブオイルとレモンによく合った。

ギリシャ料理の定番、アンチョビのグリル。オリーブオイルとレモンの搾り汁でいただく。
魚介のトマト煮込み。ふんわりとしたムール貝がおいしかった。

 あっという間にお腹がいっぱいになったけれど、どうしても食べておきたいデザートがあった。それは、ギリシャヨーグルト。もっちりと堅い食感と、酸味が控えめでミルクっぽい味が、食後にぴったりだった。

左:食事の締めはやっぱりコレ、ギリシャヨーグルト!
右:レストランの床から遺跡の一部を眺めることができるってすごい!

 お会計を済ませて店を出ようとしたら、担当のウェイターに「床を見てみて」と促された。私のテーブルのすぐ後ろの床がライトアップされていた。よく見るとガラスの下に遺跡が! この街が遺跡の上に造られていることを再認識したのだった。

 アテネ、恐るべし! 次はもう少しゆっくり滞在したいと思ったのだった。

Athinaikon(アティナイコン)
所在地 Mitropoleos 34, Sintagma, Athens, Greece
電話番号 210-3252688
URL http://athinaikon.gr/

【取材協力】
ターキッシュ エアラインズ

URL http://www.turkishairlines.co.jp/

たかせ藍沙 (たかせ あいしゃ)
トラベル&スパジャーナリスト。渡航140回超・60カ国超、海外スパ取材230軒超、ダイビング歴800本超。日々楽しい旅の提案を発信中。著書は『美食と雑貨と美肌の王国 魅惑のモロッコ』(ダイヤモンド社)、薔薇でキレイになるためのMOOK『LOVE! ROSE』(宝島社)など。楽園写真家・三好和義氏と共著の『死ぬまでに絶対行きたい世界の楽園リゾート』(PHP研究所)が4刷、台湾版も好評につき、中国版出版制作中! 第2弾『地球の奇跡、大自然の宝石に逢いに… 青の楽園へ』好評につき、こちらも中国版出版決定!
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2016.04.08(金)
文・撮影=たかせ藍沙